中国ってやつは

北京に戻って1週間が経ちました。

半日で引越しを済ませて日本に飛んだ夫のおかげで、北京の新居はとんでもないことになっていました。

ドアを開けてみると、箱が積み上げられ過ぎて、中が見えません。2、3歩しか踏み入れられません。そんなに小さなマンションじゃないのに、入口から一番近い部屋に全ての箱を積み上げて終わらせたようです。中国人の仕事振りもすごいですが、それを監督してやらせた夫もとんでもない。適当この上ないし、私が頼んだ事は殆ど忘れていました。

蛇口についてる浄水器を忘れないで回収してね、や、このカーテンは大家さんの物だから返してね、は、ことごとく無視され、返却しなければならないカーテンは新居に転がっていました。汚いから廊下に出しておいて、前の家の管理人に連絡しようと話している内に、共有廊下に出ていたものは、ゴミや空き箱や大家さんのカーテンを含めて、一切消え去りました。

持ち去りなのか、掃除おばさんの懇意か、いずれにせよ、貸与品を紛失してしまいました。中国だから大丈夫だよ、と中国人みたいな事を言い出すイギリス人夫。私はいい加減な事があまり得意でないので、彼がこういう事をする度に、頭を抱えたくなります。

彼は翌日から仕事に戻り、全ての段ボールは私に残されました。新しい家は、日本ではあり得ないレイアウトで、メゾネットの二階部分にストレージがあります。とりあえず箱をぶっこんで貰って、私はひとつひとつ開けて収納するという仕事をしました。

一日中整理整頓しても、全く先が見えなく、1週間かかってやっと家らしくなりました。

彼の東京の家に転がり込んで引っ越したのが数年前、毎年何かしら引っ越しがあります。去年は中国への国外引っ越し、これも大変だったけれど、外資系の引っ越し会社が専門にパッキングして、現地でも荷解きをしてくれたので、監督すれば良いだけだったので、比べられないくらい楽でした。今回は、本当に大変で、疲れ果てました。いつになったら定住できるんだろう…

仕事を終えて家に帰ってきて、ソファにドカッと座り、テレビを見ている彼を見ると、イラっとして、なんで私がこんな家政婦みたいなことしなきゃいけないんだ!と怒りがこみ上げてきます。でも、ゴミ屋敷に住みたくないし、私しかやる人がいないので、自分のため…と言い聞かせて。中国だと支出は全部彼が払ってくれるので(これは我が家ではとてもレア)タオバオや天猫という巨大ECサイトでショッピングをしまくっています。水もトイレットペーパーも、注文した翌日に届くのでとても便利。

キッチンが機能するまでに五日間かかったので、一人で外食して、お金を使う事で自分を落ち着かせていました、それぐらいしか発散の方法がないんです。中国で友達をどう作るかなんて分からないし。

そういえば私はまだ妊娠中ですが、最後に妊婦健診に行ったのは、二週間くらい前でした。今赤ちゃんが元気なのか、順調なのかも分かりません。そろそろ病院探しもしなくては…

産院まで決めなくても、ある程度の妊婦健診が出来る病院を探して予約しないといけません。

私が入っている、外国人用の保険はMSHと言います。配偶者に付属する形で、1年目は妊娠や出産に関わる費用は自費ですが、2年目から一定額までカバーされます。つまり、病院をしっかり選んで予算内に抑えれば、ほぼ保険会社負担で出産が可能です。

私の前職の同僚が北京人なので、おすすめの病院を聞きましたが、ひとつは20% co-pay(自費負担が20%の高級クリニック)のユナイテッドファミリーで、もう一つは北京協和医院でした。

ユナイテッドは北京駐在の日本人に人気のようで、でも価格表を見るとびっくりするぐらい高いので、どう考えても現実的に思えませんでした。恐らく北京でも一番か2番に高い病院です。その課金の形態が、医師が治療を追加する事でコミッションを得るという噂があり、なんだか不透明で嫌だな、とも思いました。

やらなくていい検査は全てスキップしたいのです。でも、やった方がいい検査はやりたい、私が考えているのはNIPTテストでした。

前同僚曰く、北京でNIPT(出生前診断)はとてもメジャーです、でも診断が曖昧で、間違った結果で赤ちゃんをおろしてしまった両親が沢山いたそうで、社会問題になっている、との事でした。なので北京でも数える程の病院しか信用できないと、そのひとつが協和医院でした。

協和医院は、とんでもなく人気で、予約はMSHを通して出来ず、自分で電話を掛けなければなりません。ネイティブなんだから、英語で夫にやらせようと、まぁその考えが間違っていたのかも。

1度目の電話で、出産はフルブッキングで出来ませんと断られた、と夫が言いました。

いや、出産はそこでしないから、出生前診断だけ受けたいんだよ、と言って、再度電話させたのですが、MSHにまず電話して、カスタマーセンターの代表に問い合わせしました。

そうすると、協和医院のMSH代表がいるから、その人に電話して下さいと、携帯の番号を貰いました。

早速電話すると、英語名アンという名の女性でしたが、クスクスクスと、ずっと笑っていて、話になりません。ディーも、ハロー?あの、大丈夫ですアナタ?みたいに顔をしかめて話しかけているのですが、アンはウフフフ、クスクスクスと、笑いが止まりません。

北京一の病院という評判を聞いて、電話をかけて、その代表がこんなにアンプロフェッショナルだと思わず、二人で呆然としました。ディーも、売春婦に電話してんのかと錯覚した、と苦笑い。

ディーはそれでも根気よく話し続け、予約をしたいと伝え、アンの返答はびっくりするぐらい簡単で、何時がいいですか?というので、月曜2時にお願いし、30分前の1時半に国際部の受付で会いましょうとなりました。その際に、パスポートの番号や名前さえ聞かれなかったので、本当に大丈夫なのかこいつは?と最後まで疑問でしたが、彼女がMSHの協和医院代表なので、何か別のルートなんだろうと甘く考えていました。普通、中国の病院は掛号という、受付ナンバーが必要です。ただ、私達のように保険会社を使うと、ディレクトペイメントが出来、現金での現地支払が必要なくなります。

約束の時間、アンは現れません。電話にも出ない。コマーシャルインシュランスという窓口も閉まっています。雲行きが怪しい…

MSHに電話し、アンが来ないという話をして、連絡をするように頼みました。10分経って、コマーシャルインシュランスの窓口が開きました。これは恐らく、私達の様に団体で会社の保険に入っている人用の窓口で、ディーはイライラしながら、アンという人間と約束しているから、呼んでくれと頼みました。少し経って、違うおばちゃんが出てきて、何かお探しですか?とカタコトの英語でディーに話しかけます。私を見ると、アンタは中国語話すわよね?とカジュアルに言われました。私はNO!!!とシャウトしました。

顔がアジア人だから、どこでも中国人と間違えられます。我慢できない。一緒にすんな、気軽に話しかけんな…イライライラ

アンを探している、と再度説明すると、2時近くになって、昼寝から今目覚めました、という雰囲気の、二十代くらいの女性が、のろりと出てきました。

ブチっとなんか切れた気がしました。ディーは、まあまあまあとピースメーカーになっていましたが、私は英語でまくしたてて、テメエが2時って言ったんだろうが、ここまで来るのにどれぐらいかかるか分かってんのかよ、今日診察は受けられるのかよ、つーか英語聞き取れてんのかよ!と叫びました。

さすがにホール中に響くでかい声だったので、彼女も事の重大さに気付き、オロオロしだしました。

私はまだ言い足りなかったのだけれど、ここで怒っても状況は改善しない、と自分をなだめて、少し席を外しました。

彼女の言い分では、電話口では、聞き取り間違いをして、私達が予約を入れてあるものだと勘違いした、と。協和医院では、出産をしない人間のNIPTテストは受け付けていないと思う、と。とても予約の取りにくい病院なので、他の病院をおすすめする、と、電話口のもう少し流暢な英語を話すMSHの人に言われました。アンはディーの英語を全く聞き取れていませんでした。中国人の英語、ひどいです。そのレベルでよく外人の受付できんな、と呆れてしまいます。

私もディーも、すっかり頭にきてしまって、私達の今日1日はなんだったんだろうと、途方にくれたのですが、英語の苦手なアンに代わって、上海の代表電話が大きなヘルプになり、NIPTを出来る病院を探して予約してくれるという話になりました。

また、日本人がよく使う病院と、現地外人が使う病院に差があるみたいで、彼の同僚は、ユナイテッドやアムケア、協和医院ではなく、オアシス(北京明徳医院)という望京にある病院を選んでいるということが分かりました。

彼の同僚も、オアシスで産んでいて、他の妊娠中の同僚も、オアシスに行っているそうです。というわけで、初の中国での妊婦健診は、オアシスに行くことになりそうです。

ブログランキング参加中

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Scroll Up